2年目継続中 長引く「米中貿易戦争」の行方

米中貿易戦争の行方を語ります。
米中貿易戦争はトランプ大統領就任時から徐々に加熱しています。

2018年春から両国が激突し貿易摩擦が生じています。
1年経過しても火花を散らしています。

今回の貿易戦争は「アメリカの貿易不均衡是正」、「次世代ハイテク産業の覇権の担い手」を争っています。
米中貿易戦争は現在、世界で最も重大テーマといえます。

展開次第では米ロ冷戦にまで発展し兼ねない重大な問題です。

アメリカの対中貿易制裁

米中貿易戦争の構図

トランプ大統領は就任直後から、貿易収支の是正を訴えます。
2018年4月に「具体策」を持ち、対中貿易制裁の風呂敷を広げます。

アメリカの輸入制限、追加関税の措置を取ります。
その報復に中国もアメリカ製品へ関税を発動します。

その後も、両国一歩も譲らず、関税の引き上げは続きます。

そして「アメリカVS中国」という構図が出来上がりました。

トランプの貿易収支構造改革

トランプ氏は就任直後から一貫して「アメリカの貿易赤字の是正」を求めています。
2018年から対中貿易制裁でようやくその動きを加速させます。

アメリカは年間3800億ドル近い赤字を中国に対して負っています。
→アメリカの一番の赤字相手が中国

トランプ氏は「対中国との貿易赤字を1000億ドル程の削減」を目指します。
アメリカはなんとかこの貿易赤字を解消したい訳です。

中国もトランプ氏訪中の際には歩み寄りを見せる一面もありました。
「旅客機などの爆買い」など誠意は見せるも貿易不均衡は解決されません。

トランプ大統領は辣腕を振るい中国に厳しい条件を突き付けます。

中国のハイテク産業に危機感

米中貿易戦争の発端は、ハイテク産業の覇権争いの背景があります
中国政府主導によるハイテク産業の保護主義政策をアメリカは牽制しています。

中国は国家をあげてハイテク産業に注力しています。
習近平国家主席は全人代でもハイテク産業を強調しています。

アメリカからするど第四次産業革命分野で中国に先を許すわけにはいきません。
貿易戦争に持ち込み、ハイテク産業でもリードする必要があります。

貿易赤字だけではない

中国は政治と経済が一体化しています。

政府が「ハイテク産業を補助する」と言えば、国家単位でハイテク産業に乗り組みます。

中国がハイテク産業に注力すれば、アメリカは経済・貿易面で更なる打撃を受けます。
アメリカは中国に先制攻撃をかましました。

両国は貿易赤字だけでなく、ハイテク産業の覇権争いをしています。

ハイテク産業の貿易規制

中国に危機感を抱いたトランプ氏は中国製のハイテク産業を規制します。
航空宇宙産業、情報通信産業、産業用ロボットなどの中国製ハイテク産業に追加関税を導入します。

アメリカのこの動きに中国商務省は「強く糾弾する」と報復関税を発表します。

その後、シリアでのアメリカ軍攻撃の際は、中国はロシア側に表立ちます。
そして、アメリカを批判して、米中の関係は悪化します。

両国は現在では、ハイテク産業以外の分野でも関税を高めています。
米中貿易戦争は未だに熱を帯びています。

米中貿易戦争の米中リスク

アメリカ側のリスク

米中貿易戦争が本格化した場合、アメリカ側にもリスクがあります。
それは、中国の「米国債の売却」という最強のカードです。

中国が保有する米国債の大量売却は、最悪のシナリオです。
これが発動すれば、米国債の価値は下落し、ドル安に振れます。

経済ファーストのトランプ政権に、これは大きなダメージです。

一方で、米国債の売却は、諸刃の剣です。
世界経済を形成する中国もその影響を受けます

中国の米国債売りはは現実的ではありません。
中国には切り返す一手がないのでアメリカはグイグイと中国に切り込んでいけるわけです。

 

中国側のリスク

米中貿易戦争は勝者のいない戦いです。
とはいえ、ダメージが大きいのは中国側です。

貿易黒字額が伸び悩めば経済成長も失速します。
中国経済の成長は徐々に貿易戦争のダメージが影響を出し始めています。

中国は格差社会が依然として広がっています。
貿易収支が減少すれば、そのしわ寄せを貧困層が受けます。

そうなれば、独裁を強める習国家主席への向かい風となります。
習主席への不支持が貧困層の間で高まることは逃れられません

今後の展開

2018年4月に問題化してから米中一歩も引かずに2018年を終えました。
年末は一旦休戦に入るも未決着のままです。

2019年に入り、トランプ大統領は再び関税引き上げを断行。
中国側もこれに呼応して、再び貿易戦争の様相を呈しています。

経済戦争が続けばお互いにダメージを被りながら世界経済は失速していきます。
どちらが先に倒れるのかという予想が方々で展開されています。

アメリカ側は中国に対して、強気の姿勢を緩めていません。
まだまだ長引く可能性は十分にあります。

米中貿易戦争による日本の影響

メリットを受ける企業

米中貿易戦争は日本経済にとってもマイナスが大きいです。

世界経済が不安に陥ると「有事の円買い」が発動して、円高傾向になります。
すると輸出企業には重たく、全体的にはダメージが増加します。

少ないですが、米中貿易戦争でメリットを受ける日系企業出てくるでしょう。
産業用機器メーカー、中国国内に販路をもつ小売業はチャンスがあるかもしれません。

米中貿易戦争で儲かる日本企業
  • 産業用機器メーカー
    →相互に貿易規制が進めば、お鉢がまわる
  • 中国国内に販路を持つ小売業
    →米中貿易戦争が進めば中国の経済は停滞
    →すると中国政府は国内での消費喚起を促す
    →結果、中国に販路を持つ日系の小売業の収益は上がる

中国での国内消費は中国政府が打ち易い手です。
既に販売チャネルを持つ日系企業は思わぬチャンスが到来するかもしれません。

デメリットを受ける企業

米中貿易戦争によって、ほとんどの日本企業はデメリットの方が多いでしょう。

中国経済が停滞すると「爆買い」によるインバウンド需要が減少。
大手百貨店や化粧品メーカーなどは軒並み下火になるでしょう。

自動車産業も円高で収益性は落ちます。
為替以外では米中需要を日本企業が巧みにつくことが出来れば、被害を抑えることが出来るかもしれません。

まとめ

・トランプ大統領は貿易不均衡を是正したい
→アメリカファーストを目指す

・アメリカは中国のハイテク産業の成長に脅威を覚える
→次世代情報産業で世界をリードしたい米中の争い

・アメリカは中国にハイテク産業に関税引き上げ
→中国も呼応して、アメリカと同製品に関税引き上げ

・米中貿易戦争が本格化する
→ハイテク産業の覇権を握る戦い勃発

・ハイテク産業の世界的覇権を握る戦い
→米中貿易戦争には、経済合理性はない
→アメリカは経済戦争

トランプ大統領は今秋の中間選挙に向けて、一端休戦をすると思えます。
ただ、与野党オールアメリカで中国へ牽制の動きがあります。

アメリカ側はここで中国を叩けないと時期を逸すると判断したのかもしれません。

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