【中東情勢】「アラブ首長国連邦(UAE)」7つの首長国で構成する連邦国家

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今回は「アラブ首長国連邦(UAE)」です。

UAEはアラビア半島に位置し、ペルシャ湾に面する連邦国家です。
東部はオマーン南部、西部はサウジと隣接します。

7つの首長国が連邦国家を形成しています。

1960年代後半から石油の採掘に成功。
天然資源で国家を運営するレンティア国家の代表格です。

外交スタンスは保守穏健国家として融和な立ち位置を取ります。

治安
危険情報はない

アラブ首長国連邦の基本データ

アラブ首長国連邦の成り立ち

UAEは7つの首長国によって成立しています。
元来はイギリスの統治を受けていました。

1971年にアブダビ首長国が近隣の各首長国に働きかけ連邦国家を成立させます。
中心的な首長国はアブダビ首長国とドバイ首長国です。

国家元首は大統領でありアブダビの首長が務めるのが慣例。

アラブ首長国連邦の諸データ

UAEの首都はアブダビであり政治基盤が置かれます。

同国最大の都市はドバイです。
ドバイは超高層ビル群が知られています。

政治のアブダビ、経済のドバイと役割を分担しています。

各首長国は王族の世襲制で各首長国においては絶対君主制が敷かれています。

連邦の最高意思決定機関は「FSC」と呼ばれまる連邦最高評議会です。
ここで国家としての方向性を取り纏めます。

アブダビの貢献度

UAEの連邦予算はアブダビ首長国の負担が大きくアブダビが国家の中心を担います。
連邦予算の80%をアブダビ首長国が負担しています。

ドバイ首長国以外の残りの首長国には連邦予算が全く掛かりません。
実質、アブダビが他の首長国を賄っています。

アブダビの連邦における役割は「基幹」です。
油田を抱えるアブダビがUAE全土を牽引する形です。

 

アラブ首長国連邦の宗教

UAEではイスラム教が国教です。
宗教への戒律規制は首長国が権限を持ちます。

首都アブダビは保守的、最大都市ドバイはかなり緩い戒律です。

最も厳しい首長国では飲酒が禁止など敬虔な首長国もあります。
イスラム教徒の80%近くがイスラムスンニ派です。

アラブ首長国連邦の政治

アラブ首長国連邦の政治

UAEは7つの首長国における連邦国家です。
多くの権限が首長国に委ねられています。

連邦権限は外交・軍事・通貨を仕切ります。
各首長国は連邦会議での決定が反映されます。

首長国権限は教育・経済・警察・社会福祉など生活インフラに関わります。

 

政治への無関心

UAE国民(国籍を有する者)は政治へ無関心です。
手厚い社会福祉、急速な経済発展、生活向上が背景にあり国民の連邦政府への信頼は厚いです。

首長制、連邦制が機能しており国民の政治不満がありません。
そのため、国民の政治への関心は薄く、政府を信望しています。

参政権も限定的で絶対君主制が脈々と受け継がれています。

 

レンティア国家

UAEは石油、天然ガスの天然資源に恵まれています。
UAEは政府が国家財政の主軸である天然資源を擁している「レンティア国家」です。

財源を政府が独自に確保するため、国民に労働力(税)を課しません。
その代わりに手厚い社会福祉を提供するので、国民は政府を支持します。

 

アラブ首長国連邦の外交

UAEの外交スタンスは保守穏健です。
近隣国家との調和維持に努めています。

特に隣接する大国サウジアラビアとの関係を重視しています。
他にも湾岸協力理事会に属し、湾岸諸国と協調しています。

2017年のカタール断行では、UAEもカタールとの国交を断絶しています。

 

欧米に寛容

UAEは湾岸諸国の中でも欧米に寛容です。
特にドバイでは西洋文化が多く取り入れられています。

湾岸戦争、イラク戦争では米軍の駐留を許可しています。
旧宗主国であるイギリスとも親しい関係を築きます。

 

アラブ首長国連邦(UAE)の特徴

7つの首長国から構成

UAEの最大の特徴は7つの首長国から構成される連邦国家です。
中東では唯一の完全な連邦制を敷きます。

アブダビ、ドバイは世界的に有名な都市で知名度は高いです。
その他の首長国は知名度は高くありません。

連邦国家としてはアブダビとドーハの負担が大きいです。

 

アブダビ首長国

首都アブダビ市を抱えるUAE最大の首長国です。
石油資源を保有して、レンティア国家の中核をなします。

資源力があるので7つの首長国のリーダーを務めます。
アブダビが石油を採掘し、他の首長国を支援しています。

政治の主要機関もアブダビに設置されています。
国家元首の大統領もアブダビ首長が務めます。

 

ドバイ首長国

UAE第2の主要都市がドバイです。

こちらもアブダビと共に世界都市として栄えています。
現在は外国資本が潤沢に入り、超高層ビル群が立ち並びます。

脱石油経済を進めて、目覚しい経済発展を遂げています。
金融、貿易、観光産業とUAEの次世代進化を支えます。

欧米文化に傾倒しイスラム圏ながら飲酒、肌の露出に寛容です。
UAEでは第2の国力を持ち、副大統領をドバイ首長が務めます。

 

シャールジャ首長国

ドバイのベットタウンとして機能する首長国です。
南アジア(インド)からの出稼ぎ外国人が数多く居住します。

隣接するドバイ首長国とは対照的に敬虔で厳格なイスラム教国です。
飲酒の販売などは一切禁止されています。

UAEでは首長国によって宗教への距離感が異なります。

 

アジュマーン首長国

7つの首長国では最も小さな首長国。
王族の1人が広島大学へ留学経験があるようです。

 

ウンム・アル=カイワイン首長国

人口約7万人弱の小国。
真珠の採掘が有名。

 

フジャイラ首長国

国土の大部分が山岳地帯と砂漠地帯で覆われます。

アブダビから原油が送られます。
原油の輸出基地を持つ重要拠点です。

 

ラアス・アル=ハイマ首長国

農業、漁業が栄える国。
ドバイに次ぐ、経済発展が期待されています。

 

国民が政治に無関心

UAEは絶対君主制が永らく続いています。
治安も他の中東地域に比べて抜群に良好なのが特徴です。

連邦(首長国)は国民から高い支持率を誇ります。
そもそも反乱因子が生まれない土壌です。

手厚い社会福祉を受けられるため国民は政府に満足。
更に近年は目覚しい経済発展を遂げて国民の高い生活力を維持しています。

近年「アラブの春」に端を発した中東の民主化運動もどこ吹く風。
既存の君主制に不満がなく、国民が民主化(政治)に無関心という特徴があります。

 

UAEナショナル

UAEの民主化への無関心は平和を生みます。
その背景には「UAEナショナル」の存在があります。

UAE土着の国民は「UAEナショナル(UAE古来土着のルーツを持つ人々)」と呼ばれます。

UAEナショナルの割合はUAE国民に対して極端に少ない割合。
UAEナショナルは全住民の15%未満です。

連邦政府はUAEナショナルに手厚い社会福祉を与えます。

連邦政府はUAEナショナルの比率を上げようと施策を打ちます。
外国籍からの国籍取得は厳しく、あくまでUAEナショナルの比率に限定しています。

 

石油産業

アブダビ首長国は石油、天然ガスの一大産地です。

UAEのGDPは約40%が天然資源に依存しています。
その最大の輸出相手が日本です。

UAEが他のレンティア国家と違うのは天然資源だけに依存していない点です
連邦政府は天然資源に依存した経済からの脱却を目指しています。

UAE経済の柱がドバイです。
ドバイは金融、貿易、工業、観光と新たなアラブの風を吹かせています。

UAEはエジプトに次いで天然資源以外の産業が盛んな国です。

 

結論

UAEはレンティア国家の成功例として挙げられています。
親欧米路線のため、外資も積極的に流入しています。

脱資源を遂げれば中東での影響力は更に大きくなるでしょう。

UAE国営の航空会社エティハド航空はリーズナブルかつハイクオリティ。
UAEの潤いを感じることができます。

 

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2 COMMENTS

ししまる

同国最大の都市はドーハです。
ドーハは超高層ビル群が知られています。
政治のアブダビ、経済のドーハと役割を分担しています。

文中のこれ、ドバイの間違いでは?

たいそん君

ご指摘ありがとうございます!
完全にドバイでしたね…訂正します

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