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20世紀最重要哲学者 マルティン・ハイデガー

哲学者 近現代編

近現代の哲学者をまとめています。
今回は20世紀最重要哲学者であるマルティン・ハイデガーをまとめます。

ハイデガーは20世紀で最も重要な哲学者の一人です。
大戦前からナチス党の熱心な支持者でした。

ハイデガーの思想哲学はその点を補い余りある奥深さを秘めます。
現代哲学の重責を担うハイデガーの思想に触れていきます。

 

ハイデガー、哲学者への道


© Landesarchiv Baden-Württenberg

ハイデガーの出生

20世紀で最も重要な哲学者として称されるハイデガー。
生誕はドイツ南部、1889年です。

父親は樽桶職人兼、教会の堂守を務めていました。
ハイデガーの少年期はサッカー、水泳、スケートに熱中するスポーツ少年です。

スポーツに打ち込む傍ら父親の仕事を手伝いました。

哲学の道へ

ハイデガーは1909年に人生に深い繋がりを生むフライブルク大学へ入学します。
フライブルク大学は、ヨーロッパにおける超名門大学です。

当初、神学部に進学したハイデガーは後に哲学に転向します。

大学進学前にプラトンの講義を受けていたハイデガー。
その頃から哲学の道を志します。

フライブルク大学ではアリストテレスの研究講義を進めます。

 

結婚→入営→教壇

1917年にエルフリーデ・ペトリと結婚します。
ペトリは女性の就学と就業の運動家を支持していました。

後にエルフリーデは熱心なヒトラーの信望者となります。
ハイデガーはエルフリーデの影響で宗派をカトリック派からプロテスタント派へ宗旨替えをしています。

ハイデガーは結婚後、第一次世界大戦へ派兵されます。
西部戦線に配属され、戦争に従軍しています。

動員解除後、1919年にフライブルク大学の教壇に立ちます。
その後、ナチスの興隆、第2次世界大戦を経て、晩年まで哲学を構築していきます。

それでは、ハイデガーの哲学を紐解いていきましょう。

ハイデガーとナチス

ナチスの信望者

ドイツでは第一次世界大戦の敗戦、世界恐慌と社会の荒波が襲います。
経済の停滞、政治への疑念から求心的な力を持った強いリーダーを社会は求めました。

不況を背景にドイツ国内ではナチス党が急激に力を伸ばします。
ナチス旗振り役ヒトラーは「強いドイツ」を掲げます。

ハイデガーの妻、エルフリーデは以前よりヒトラーの信望者です。
ハイデガーもナチスの反ユダヤ主義に強く共鳴していました。

ナチスが政権を奪取し始めるとナチス支持の見識者はナチスに優遇措置を受けます。

 

フライブルク大学学長選

1933年、ハイデガーはフライブルク大学の学長に選出されます。
この学長選は、ナチスの権力が密接に関わりました。

ハイデガーはナチス党の支援を受け、学長に選ばれます。
ハイデガーは学長選を契機に、同大の教授たちと共にナチスへ入党します。

ハイデガーは学長就任から、一貫してナチス式を導入します。

授業の始めと終わりに、ナチ式敬礼を義務付けます。
有名なフライブルク大学もハイデガーと共にナチスの手に堕ちます。

 

ナチスへの負託

ハイデガーはナチスこそが、混沌とした世を救う唯一の手段と評します。
事実、ナチス全盛期は荒廃したドイツが急激に経済発展を遂げます。

ハイデガーは暴走したナチスの民族主義にすら傾倒しました。
ハイデガーはユダヤ人によるドイツ社会の侵食を危惧していました。

ナチスへの信望はハイデガーを語る上で外せない事柄です。

出兵と復学

ハイデガーはナチスの旗色が悪くなると戦線へ駆り出されます。
兵役免除を受けていた大学教授の中で、不用の筆頭とされ不遇を受けました。

その後、兵役免除が嘆願され戦後まで逃げ延びます。
戦後はナチ党員の名簿にハイデガーの名があり裁判を受けます。

裁判はハイデガーにとって寛大な措置であり、教壇に復学しました。

 

ハイデガーの考え

ハイデガーはナチスに加担した暗い過去を持ちます。
しかし、彼の重厚な哲学は後世に評価され、多くの哲学者に影響を与えます。

現存在

ハイデガーは「人間の死」を明らかにしました。
従来までは「人間の生死は神の範疇」で考えられました。

「人間の死」は宗教の範囲内であり哲学分野には含まれません。

死を明らかにするためにハイデガーは「現存在」という考えを提示します。
現存在とは、「自分は何のために存在するのか?」を問うことのできる唯一の存在です。

現存在を問うことによって、人間は自らの死をを問うことのできます。
ハイデガーは、現存在を問い、より自身の死を意識する必要があると考えました。

 

死を意識して生きろ!

ハイデガーは、大抵の人は、「ダス・マン(現存在を問わない対象)」としています。
「ダス・マン」から脱却する方法としては、死を意識して生きるしかないと考えました。

死を意識すると、生への欲求が生じます。
生への欲求を感じながら生きるのが人としてあるべき姿としました。

「漫然と生を享受するのではなく、生きたいという強い欲求が世を充実させる」としました。
奇しくも強制収用され生き残ったユダヤ人は、ダス・マンから脱却しているのではないでしょうか?

 

「世界-内-存在」

「人間はこの世界に縛りつけられており、逆らうことができない」とハイデガーは考えました。

宗教的にも理性的にも、人間がこの世の定められた運命を逸脱することはできません。
表面上では、取り繕うことはできますが、本質は変えられません。

その代表例が「死」です。
「人は死ぬ」という運命から逃れることはできません。

人間は運命に縛りつけられている存在です。

 

結論

ハイデガーがナチスに傾倒したという事実。
ファシズムの当時の席巻振りが伺えます。

ハイデガーの思想は本質的な所を突かれている気がします。
「ダス・マン」という存在も頷けます。

生きたいという欲求は強い死への意識が生むというのはかなり痺れますね。

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