日本近現代文学の流れ 耽美派→白樺派→新現実主義

日本近現代文学の流れをまとめます。
今回は大正時代の文学です。

大正の世は民主主義が芽生えました。
世の中はバブルで幸福感と豊かさに溢れていました

そのため、反自然主義を汲み文学が興隆します。
今回は「耽美派→白樺派→新現実主義」の流れを追います。

結論を端的に

●耽美派:「美」を追求する
→ロマン主義の発展形
→時に倒錯した美への探究心が暴走

●白樺派:自我の確立をテーマ
→アンチ耽美派
→民主主義の人道路線

●新現実主義:白樺派をより現実に引き戻す
→漱石、鴎外の流れを発展
→芥川龍之介の登場

時代は激動の明治から大正時代へ
民主主義の片鱗をみせ、個人の権利は拡張していきます。

耽美に浸かる者、人道を唱える者、現実を見つめる者
色々な作家が登場してきます。

耽美派(後期ロマン主義)

美しさを求める世界

日清戦争前後に生まれたロマン主義が更に発展します。
耽美派と呼ばれる文学生まれます。

耽美は「」を最高の価値に置きます。
西欧の芸術思想で19世紀後半に生まれました。

耽美派では思想より形態メッセージ性より感性を求めます。
日本の耽美派は「三田文学」、「スバル」の文芸雑誌が牽引しました。

活躍した人物

永井荷風

耽美派を象徴する「三田文学」の創設に尽力。
当初は自然主義派であったが欧州へ外遊後、作風が変わります。

代表作は『アメリカ物語』
芸術至上主義である荷風のアメリカ滞在記が元ネタです。

谷崎潤一郎

「三田文学」内で永井荷風に激賞され見出させれます。
文学の枠を超え、映画界にも積極的な姿勢を見せました。

代表作は『刺青』
男性のフェチを描いた、谷崎の出生作品。

北原白秋

文芸雑誌「スバル」で活躍した詩人。
「パンの会」と呼ばれる芸術的会合も開催した。

「スバル」は森鴎外、与謝野晶子、石川啄木などが並んだ。

白樺派

人道主義

反自然主義の系譜を継ぐ耽美派以外の文学も興隆します
文芸雑誌「白樺」を中心に活躍した人々は白樺派とされます。

白樺派は民主主義の時流に乗り、人道主義を唱えました
「美」のみを探求する耽美派と白樺派は互いに距離を取ります。

白樺派の特徴は「近代的な自我の確立」です。

活躍した人物

武者小路実篤

「白樺」創刊メンバーの1人、名家の生まれ。

トルストイに傾倒し、「新しき村」を創設。
→階級闘争のない世界、現代でも存在。

太平洋戦争で協力的姿勢を取り、後に公職追放されます。

代表作は『友情』
実篤が創設した「新しき村」の創設背景が描かれます。
協力的人間関係の理想

志賀直哉

「白樺」創刊メンバーの1人。
小説の神様」と称せらます。

純文学の教本的な役割を持ち、多くの作家へ影響を与えます。

代表作は『暗夜行路』
志賀直哉の唯一の長編作品です。

有島武郎

白樺派中心人物の1人。
キリスト教徒でキリスト的人道主義を唱えます

最期は痴情を抱き、自殺します。

代表作は『或る女』
国木田独歩の最初の妻である佐々城信子をモデルとした作品。
結末は有島の創作です。

新現実主義

新たな時代を切り開く文学

漱石、鴎外の影響を多大に受けた新しい文学が大正中期に芽生えます。
それが新現実主義とされる一派です。

芥川龍之介、菊池寛、山本有三が登場します。
主に白樺派の席巻した理想主義を現実に戻そうとする文芸思潮。

活躍した人物

芥川龍之介

夏目漱石門下、時代を代表する作家。
新現実主義の旗手として、数々の代表作を残す

古文漢文、西洋文学、歴史学にも精通しています。

代表作は数多あります。
『羅生門』、『鼻』、『戯作三昧』
『地獄変』、『藪の中』、『歯車』

菊池寛

新現実主義を代表する作家。
文藝春秋を創設した実業家でもあります

芥川の親友で芥川賞の創設者

代表作は『恩讐の彼方に』
仇討ちを批判する作品、ヒューマニズムを問う。

その他

詩歌俳句

宮沢賢治

詩歌から童話まで幅広く作品を残しました。
現在でも教科書に作品が頻繁に登場します。

代表作は『風の又三郎』、『セロ弾きのゴーシュ』など

アララギ派

正岡子規の流れを汲む流派が登場。
雑誌「アララギ」では多くの歌人が誕生する
→伊藤左千夫、斎藤茂吉

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。