日本近現代文学の流れ 写実主義→国粋主義→ロマン主義

日本近現代文学の流れをまとめます。
今回は「日本近代文学の創設期」です。

明治維新後、文明開化により日本文化は大きな変化が起きます。
西洋思想の流入により日本文学も影響を受けます。

明治の文明開化は文学界にダイナミック変革をもたらしました。

STEP.1
写実主義
日本近現文学の興隆
道徳や功利的な側面でなく、みたまま、感じたままの作風

坪内逍遥が『小説神髄』にて、体系づける
二葉亭四迷:代表作『浮雲』、日本近現代文学の始まり

STEP.2
国粋主義
近代における文明開化へのアンチテーゼ
江戸時代への回帰を促す

尾崎紅葉:代表作『金色夜叉』
幸田露伴:代表作『五重塔』

STEP.3
ロマン主義
近代化が進み、自我の目覚めが進む
多くの文化的作品が生み出される

森鴎外:代表作『舞姫』
樋口一葉:代表作『たけくらべ』
与謝野晶子:代表作『みだれ髪』

写実主義

日本近現代文学の始まり

明治に入り、西洋文化、西洋思想が日本に流入します。
250年以上、鎖国していた日本文化は大きな変貌を遂げます。

この変化は文学世界にも及びました。
西洋文学の翻訳を出発点として、日本近現代文学が始まります

森有礼福沢諭吉中江兆民など一部の文化人が近代文学の土台を築きます。
その土台から小説の形が創られます。

写実主義の誕生

その後、坪内逍遥が『小説神髄』を著します。
坪内逍遥の『小説神髄』によって、小説とは何かを体系づけました。

これまでの文学は「道徳、功利的な側面」を文学に映し出しました。
言文一致体で、現実をそのまま映し出すという文学が生まれす。

日本最初の作品である二葉亭四迷の『浮雲』でした。
浮雲』は日本初の言文一致体の小説作品とされています。

国粋主義

日本独自の文化への回帰運動

明治の文明開化により、西洋の文化が流入します。
欧米を模倣した西洋文化へ嫌悪感を抱く勢力が現れます。

日本の西洋化に一石を投じる主張を繰り広げる勢力は「国粋主義」と呼ばれます。
国粋主義は江戸時代までに培ってきた日本人本来の思想、文化、歴史を重んじる主義です。

西洋に被れた明治文化へのアンチテーゼとして、国粋主義は動きます。
彼らの目標は江戸時代への回帰です。

 

活躍した人物

国粋主義を代表する作家は尾崎紅葉幸田露伴です。
この2人を代表して、「紅露時代」と評されます。

尾崎紅葉

山田美妙らと共に、「硯友社」という文学結社を結成します。
井原西鶴の影響を強く受けた作家です。

代表作は『金色夜叉
『金色夜叉』は紅葉が心血を注いで、完成を目指した作品。
物語は未完のまま、紅葉は病に倒れました。

幸田露伴

紅葉と共に国粋主義を代表とする作家。
坪内逍遥に影響され文学を志す、豪快な作風がウリ。

代表作は『五重塔

 

ロマン主義

自我意識と人間性の解放

明治の動乱も落ち着き始め、資本主義が確立した日本社会。
古いしきたりや抑圧された個人意識の解放が進みます

文学界では、開放的で自由な作風が求められました。

解放された人間性を芸術の中で表現します。
「ロマン主義」と称せらる時代には多くの文化人が世に出ます。

ロマン主義は文学界の開花の時とされます。

 

活躍した人物

ロマン主義は明治文学の中心を担いました。
この時代には、数多くの文化人が世にでます。

森鴎外

森鴎外の登場が、日本のロマン主義の始まりとされています。
鴎外はドイツ留学を経て、日本にロマン主義をもたらしました。

小説だけでなく、翻訳本や軍医としてなど作家以外の活躍も目立った偉人です。
作風は、ロマン的な文体と詩情的に恋愛を綴りました。

代表作は『舞姫
ドイツへ医学留学していた自身の体験から綴られた小説。

 

樋口一葉

24歳でこの世を去った早熟の天才作家。
鴎外やその他著名人からも多大な称賛を得た。

少女と僧侶の淡い恋愛から遊女の情死など幅広く描く。

代表作は『たけくらべ』、『にごりえ』
共に短編小説。

 

泉鏡花

尾崎紅葉に師事したロマン主義の代表格。
幻想的な文体で独自の世界観を築いた。

代表作は『高野聖』
日本の幻想文学(超自然的な事象を題材とする文学)を代表する作品。

 

国木田独歩

後に自然主義の先駆者となった国木田もロマン主義を担った。
ジャーナリストから作家へ転身した経歴を持つ。

代表作は『武蔵野』
武蔵野の情景美を描いた随筆作品。

 

与謝野晶子

ロマン主義の短歌を代表する歌人。
後に自然主義へ流れる石川啄木と時代を席巻する。

代表作は『みだれ髪』
日露戦争の反戦を歌い有名となりました。

君死にたもふことなかれ

 

結論

近現代文学の礎を担った写実主義
→明治維新後、西洋文化は大量に流入する

西洋文化へのアンチテーゼを担う国粋主義
→近代化に対する警鐘を鳴らし始める

西洋文化を多大に取込み、日本文学を発展させたロマン主義
→資本主義の発展により、自我の解放が促される
→日清、日露戦争の勝利により近代化が急進的になる

文学の流れは社会の流れです。
世界大戦に突入していく中で、日本文学はどのように発展していくのでしょうか。

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