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日本ベンチャー界の雄「サイバーエージェント」を企業研究

今回は日本ベンチャー界の雄である「サイバーエージェント(CyberAgent)」の企業研究をします。

サイバーエージェント(以下CA)は日本におけるベンチャー企業の代表的存在です。
派手な広告業界と斬新なメディア事業で意識の高い若者の関心を集めています。

就職市場では超一線級の企業で、CAにはハイレベル人材が集まります。

社長の藤田晋さんは日本でも指折りの起業家です。
かつては、最年少上場記録の保持者でもあり、藤田社長の自叙伝はベンチャー界隈のバイブルです。

サイバーエージェントはこんな会社

サイバーエージェントの基本情報

ベンチャー企業の雄であるCAですが、今や超巨大組織です。
東証一部に上場、従業員数は4,988人(2018)を数えます。

日経平均採用銘柄でもあり、名実ともに大企業です。
ベンチャースピリッツを持つ大企業、リクルート・楽天と肩を並べます。

CAはまさに日本のIT業界、広告業界を代表する企業といえるでしょう。

企業ビジョン

CAは『21世紀を代表する会社を創る』を会社のビジョンに掲げています。

同社のカラーは「華やさとハングリーさ」のアンビバレンスな印象を受けます。
社長の藤田晋さんはビジネスで大志を抱く若者の羨望を一手に受けています。

ネットの新時代サービスを手掛ける会社だけあり、派手さは圧巻です。

サイバーエージェントの事業

サイバーエージェントの主な事業は3本柱です。
広告事業・ゲーム事業・メディア事業で構成。

どの事業領域もネット関連の情報分野に特化しています。

広告事業

主力事業はインターネット広告を中心とした「広告事業」です。
広告事業が同社の50%以上の売上を占めます。

広告代理店としての売上ランキングでは、電通、博報堂に次ぐ業界3番手。
ネット広告代理店としては堂々の最大手です。

インターネット広告業界は今後も続伸が続く成長産業です。
同社は市場成長力を上回る勢いでシェアを広げています。

市場成長と共に同社の広告事業は後押しされていくと予想されます。

ゲーム事業

広告事業に次ぐ、主力事業が「ゲーム事業」です。
同社売上の35%を占めています。

ゲーム事業はスマートフォンゲームの課金が収益源です。

ゲーム事業の中核子会社には「Cygames」があります。
Cygamesは多大な広告費かけて、一般世間にも認知度の高い企業です。

スマホゲーム事業の売上高でガンホーやコロプラなどを上回ります。

スマホゲーム業界は過渡期。
今後も永らく主力事業となるかは正直、疑問符。

メディア事業

市場注目度が1番高いのが「メディア事業」です。
売上高は全体の5%程です。

メディア事業にて、同社の世間知名度を格段に向上させました。
ブログサービスの『Ameba(アメブロ)』、動画配信サービスの『AbemaTV』などヒットコンテンツが並びます。

現在は『AbemaTV』の先行投資が続き、営業損益の赤字が続いています。
音楽配信サービスの『AWA』や恋愛マッチングサービスの『タップル』を展開しています。

サイバーエージェントの歴史を振り返る

1998年 起業から上場へ

巨大ネット産業のCAですが、その歴史は浅いです。
設立して、僅か20年でネット業界の猛者へと成長しました。

同社の成り立ちは1998年。
ITベンチャーブームの波に乗り設立。

その後、自社開発のネット広告事業で成功を収めます。
当時は、ITバブル真っ盛りで会社は飛ぶ鳥を落とす勢いで成長します。

なんと設立から僅か2年でマザーズ市場へ上場。
藤田社長は当時の最年少上場記録を作り、時代の寵児へ。

MEMO
設立2年で上場
とんでもない偉業

2004年 『アメーバブログ(現Ameba)』の登場

2004年に誕生した『アメーバブログ(現Ameba)』というブログサービスがヒット。

アメブロは日本のブログ文化の土壌を作ったサービスです。
アメブロは『アメーバピグ』などのアバターサービスも流行し、現在もブログサービスで上位に位置します。

アメブロは当初、先行投資として赤字を垂れ流しました。
先発の広告事業で補填しつつ事業を存続させる状態でした。

その後、ブログ文化の進展とネットの普及によりアメブロでもの成功を収めました。

2009年 スマートフォン向け事業の拡大

CAは2009年からスマートフォン向け事業を加速。
現在の主力事業であるゲーム業界への参入を果たします。

スマホ普及の波は同社の急進的な成長を支えます。
スマホ広告、ゲーム事業と軒並み大ヒットして、更なる成長を遂げました。

2014年には東証一部へと上場市場を変更し、名実ともにベンチャー業界の雄となります。

2016年 『AbemaTV』開設

広告事業、ゲーム事業で大企業へと躍進したサイバーエージェント。
ここから新たなチャレンジに挑みます。

課題であった新規事業創出へ注力。
誕生したのが藤田社長、肝いりのサービスである『AbemaTV』。

AbemaTVは「動画配信プラットフォーム、インターネットテレビ」です。

AbemaTVはまだ赤字段階です。
「ブログサービス同様に先行投資である」と位置づけられています。

社内で最も注力されているAbemaTVの成功。
オリジナルコンテンツの成功は、同社の更なる発展の鍵を握ります。

参照:サイバーエージェントHP沿革

サイバーエージェントの経営特徴

インターネット事業

サイバーエージェントの中核事業はインターネット事業です。
同社はほぼ全ての事業がインターネットに軸足を置いています。

インターネットの興隆と共に、成長したIT企業の代表格。

同社の特筆すべき点は「流行に乗るのがとても上手な企業」です。
流行の半歩先を行き、独自のアイデアをプラスアルファしサービスを提供します。

オリジナリティが弱いのは否めません。
その分をリソースの振り分けと付加価値の提供に戦略を見出しています。

トレンド+α企業

CAは「トレンド+α企業」です。

同社の長所は世の中のトレンドを読み取る力です。
トレンドに新しい付加価値をつけることで成長してきました。

模倣と創造を巧みなバランスで組み合わせて、サービスを確立してきました。
ここでは主力事業の「+α要素」をまとめます。

広告事業

CAの看板事業であるインターネット広告事業。
「インターネット×広告」というトレンドもいち早くキャッチしました。

その後、スマートフォン広告において、確固とした広告ビジネスを構築。
スマホ広告の台頭で広告業界でも存在感を増しました。

「+α要素」としては、同社の基軸能力である「営業力」です。
CA最大のウリは営業力。

営業力を武器に一大シェアを築いた背景があります。
藤田社長も営業畑出身です。

ブログ事業

ブログ事業はCAを全国区の企業に育てたコンテンツ。
アメブロ(現Ameba)も「トレンド+α」によって生み出された事業です。

ブログが流行し始めた頃、いち早くブログ事業へ参入。

「+α要素」としては、芸能人を囲うことに成功した点です。
芸能人の影響力を巧みに操り、アメブロの世間への普及に成功しました。

アメーバピグという派生サービスも寄与。
先行者ではないにも関わらず、同業者を追い抜く戦略が発揮されています。

ゲーム事業

CAは『グランブルーファンタジー』や『シャドウバース』などの有力スマホゲームのタイトルを抱えます。
ゲーム事業は、今や広告事業に次ぐ同社の主力事業に成長。

「+α要素」としては「広告業で培ったスマホノウハウとエンジニアの確保」です。
優秀なエンジニア・ゲームプランナーに大量投資を実行。

スマホゲームはドル箱産業。
ドル箱を見抜く力も流石。

玉石混交となったスマホゲーム業界でコンスタントにヒットタイトルを生み出しています。

次のトレンド+α事業はこれだ!

CAが次なる「トレンド+α事業」として着手するのがeスポーツ事業です。

eスポーツ業界は次世代の巨大産業です。
CAは既にeスポーツ関連の新企業とサービスを展開。

今後、より多くの資本を増強してeスポーツ事業を拡大させる目論見です。

最注力事業『AbemaTV』

待望の新事業AbemaTV

CAでは2016年にスマホを軸とした新事業が生まれました。
事業は「インターネットテレビ局」です。

『AbemaTV』は「サイバーエージェントの中でも新しい試み」です。

同社はネット広告やゲーム事業など社会の流れを後追いしてきました。
見事、事業を時流に乗せて、東証一部まで成長しました。

CAに残された課題は同社がイノベーターとなる事業の創出です。
つまり、全くの新しいサービスの創出です。

CAが未知事業の創出の答えとして出したのが『AbemaTV』です。

AbemaTV

『AbemaTV』はインターネットテレビ局です。
約20チャンネルが無料で常時放送されています。

ユーザーが用意するのはネット環境とモバイル端末。
スマホ、タブレット、PCで場所を選ばず放送が視聴可能です。

インターネットテレビ局はまさに、今までにはない新しいビジネスモデル。

豊富なチャンネル

『AbemaTV』ではバラエティーに富んだチャンネルが放送されています。
アニメ・麻雀・音楽・スポーツなどチャンネル毎に特化した放送がされます。

格闘技のビッグマッチでは大量の視聴者を獲得しています。

AbemaTVの現状

『AbemaTV』の船出は難航。
現在は赤字を掘るフェーズが続きます。

メディア事業全体の売上高も6~7%程度。
会社の主力事業は数字でみると、AbemaTVではなく広告やスマホゲームです。

同社の事業規模からすれば、まだまだ赤字を掘ることは可能でしょう。
アメブロ同様に必要な先行投資として、定めています。

AbemaTVはサイバーエージェントの格を左右する事業です。
創業者の藤田社長も肝いり事業が頓挫する訳にはいかないでしょう。

AbemaTVの問題点

vsテレビの構図

AbemaTVの成否には訝しむ目線が向けられています。
投資家や批評家からはいくらか問題点を挙げられています。

AbemaTVは動画配信プラットフォーム、インターネットテレビです。
ネットテレビ局と称している位ですので、競合相手は地上波テレビ。

テレビ離れの進む若年層世代をターゲットに引き込みたい狙い。
しかし、テレビという娯楽のリプレイスは相当な険しい道。

コストや収益面での戦いは、雲行き不透明感は否めません。

安定した通信

AbemaTVはインターネットテレビです。
通信料に併せて、サーバー使用料が掛かります。

CA側は「インフラ部分での負担は微々たるもの」と主張しています。
同時接続過多によるサーバーダウンなどの問題は常に隣り合わせです。

安定した通信の規模拡大はコストの肥大化に繋がります。
想定視聴数を超えた時に放送が滞りなく行えるかが鍵を握ります。

コンテンツ

放送局なので放送内容も充実させなければいけません。
コンテンツも地上波テレビのレベルを超えないとユーザーは定着しません。

外部コンテンツを購入するのも独自コンテンツを制作するのも莫大な費用が必要。

結局は地上波放送で影響力を持つ芸能人が出演します。
すると番組の単価は吊り上がり、コストが圧迫。

AbemaTVを運営する人間への投資も必要です。
優秀なディレクターを囲わないと人気の独自コンテンツを作れません。

収益

AbemaTVの収益は広告スポンサー料です。
広告収益の柱となる巨大スポンサーを引っ張れるかが鍵。

ネットテレビという性質が巨大スポンサー獲得の壁になります。

地上波テレビで放送できない内容の番組にメガスポンサーが着くとは思えません。
企業イメージが低下する番組のスポンサーにはならないでしょう。

視聴者が望む攻めた番組とスポンサーが望む安心の番組のバランス均衡は難儀です。

ニッチな分野を乱立させても採算が取れるのかは見物。。

オンデマンド化

AbemaTVではAbemaプレミアムという有料プランがあります。
プレミアム会員に入れば、AbemaTVの人気作品が自由に視聴可能。

オンデマンド化は他の動画配信サービスと競合します。

金額を払って、動画体験をするならNetflix・Amazon・U-NEXTなど競合相手は山ほど登場します。

動画配信サービスの世界は乱世真っ只中です。
オンデマンド化でAbemaが立ち入る隙はないでしょう。

受け身文化からの脱却

テレビの亜流

テレビは「受け身文化」です。
テレビ局が流す放送を受動的に視聴する習慣です。

若年層のテレビ離れは受け身文化からの脱却を意味します。

テレビ離の流れをキャッチアップして、誕生したのがAbemaTVです。
AbemaTVはテレビ離れの進む若者をメインターゲットにおいて、番組が作られています。

習慣をつくる

AbemaTVの不可避フェーズとして「習慣をつくる」が挙げられます。
藤田社長が明言している「視聴の習慣化」です。

CAは「家に帰り、テレビを点ける」という習慣を「AbemaTVを起動する」に変えようという動きを推進しています。
「新しい習慣をつくる」という高い難易度を超えることはできるのでしょうか?

個人的見解 「Abemaは成功しない」

若者は受動から能動へ

ユーチューバーやTikTokの動きは顕著に若者の動きを示しています。
現在の若者は「受動体験から能動体験へ」変わっています。

若者のテレビ離れは、テレビのコンテンツだけに問題があるとは思えません。
テレビという受け身文化への飽きです。

情報を操り選択肢が増えた現代では「受動ではなく、リアルでレスポンシブな能動」が必要です。
YouTubeのように自ら好きなチャンネルを好きなタイミングで好きな時間だけ見ることが能動的な映像体験なわけです。

AbemaTVも受動文化

テレビ離れの若年層を狙ったAbemaTVも受け身文化から脱却していないでしょう。
基本的には、垂れ流されたコンテンツをただ見ているだけ。

用いるデバイスがテレビからスマホに代替しただけですと言えます。
課金すれば、観たい番組を能動的に選ぶこともできますが、それは動画配信サービスと変わりありません。

Abemaプレミアムを無料で解放して初めて、能動的な視聴習慣が形成されそうです。
その時の収益を確保できれば成功に繋がると思います。

YouTubeという最強の敵

無料かつ、能動的な映像体験でいえばYouTubeが最右翼です。

若干の広告が入りますが、ほぼストレスフリーで楽しめます。
ゲーム配信からタレントの配信まで幅は広いです。

受動のAbemaTVが能動のYouTubeと競うのは厳しいと予測しています。

収益面もユーザーの期待値もYouTubeにAbemaTVが敵うとは到底思えません。

結論

サイバーエージェントはインターネット社会の潮流を捉えるのがとても巧みな企業です。

時流を読む力とリソースの配分がとてもうまい。
欠けたピースはイノベーターとしての新しいビジネスモデル。

今後のCAの更なる発展を占う『AbemaTV』の成功可能性はとても気になります。
最も注力されているAbemaの成功が同社の更なる発展の鍵を握ります。

成功は厳しそうですが、新しい試みとしては応援しています。

藤田社長の著作

藤田社長の起業奮闘記は書籍化しています。
とても面白い読み物でベンチャー界隈ではバイブルです。

「ベンチャーマインドとは何か?」、「起業家の成功談,苦労談」など何かを志すものとしての心構えが記された一冊。
これから起業を志す人チャレンジしたい人はマストです。

 

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