生命科学の進歩と「クローン技術」が抱える苦悩

生命科学は日夜、進歩の道を歩みます。
2018年には史上初クローンサルが中国で登場しました。

遂には技術的にクローン人間を作ることも可能です。
SF映画さながらの「クローン人間」が登場する日は来るのでしょうか?

今回はクローン技術の進展と生命倫理について考えます。

  1. クローン技術の出発点
    →体細胞核移植に成功
    →核細胞から何体でもクローンを作れる
  2. クローン技術の到達点
    →霊長類のクローンに成功
    →倫理問題へ発展

クローン技術の出発点

羊のドリー

クローンという言葉が作られたのは1903年です。
ウェッバー博士が生物学用語として「クローン」を用います。

クローンは同一の起源、均一の遺伝情報を持つ個体を指します。

1996年、生命科学分野にて、クローン技術が大きな注目を浴びます。
注目の最中にいたのが「羊のドリー」。

羊のドリーは哺乳類で初となる体細胞移植によるクローンの誕生でした。
1匹のクローンの羊誕生で哺乳類におけるクローン技術の応用が一般的に知られるようになります。

ドリーのの衝撃

ドリーが与えた衝撃は世界を駆け巡ります。

ドリーは細胞核のDNAが彼女の母親と同一です。
母親の細胞核を取り出し分化させます。

元来、クローン技術は部位ごとの生成しか出来ないと考えられていました。
ドリーは母親の乳腺細胞から作られました。
つまり、どの細胞からでも、何体でもクローンを生成できます。

一卵性双生児を何体でも作ることが可能な技術です。

ドリーのその後

ドリーは2004年に病気からの安楽死に至ります。
同種の羊より半分程の寿命でした。

ドリーの死がクローンによるものなのかは不明です。
ただ、その後のクローン羊は平均寿命近くまで元気に生きています。

クローン技術の到達点

霊長類のクローン実験

羊のクローン成功後、様々な動物によるクローンが誕生します。
豚、牛、犬、ヤギと20種類近くのクローン動物が生まれます。

2018年中国で世界初の霊長類クローン動物が誕生します。
研究機関はカニクイザルのクローンを誕生させました。

このサルはドリーに用いられた技術が導入されています。
同一集団、カスタマイズ可能な体細胞移植です。

赤ちゃんの細胞でしか作れない

成人したサルではクローンを作ることが出来ませんでした。
特定種類への細胞に分化した成人サルでは、DNAの時を戻す作業と呼ばれます。

DNAを復元するより分化前の赤ちゃんサルの細胞を使います。

クローンを巡る倫理問題

クローンを巡ってはかねてから倫理問題と紐づいてきました。
人とDNAが近い霊長類にクローン領域が近づくことで倫理問題は拡大します。

動物を使った臨床実験はエイズ・発達障害などまだまだ医療進歩が期待される分野で期待されています。
クローン技術は功罪を一義的に決めつけるのが難しい倫理問題です。

生まれながらに動物へ疾患を付与したり、精神・肉体に負荷を与えるに反対する動きも根強いです。
クルエルティフリー」と呼ばれる動物を実験に使用しない製品は欧米のトレンド。

そもそもクローン技術の発達は神への冒涜という主張もあります。

科学先進国アメリカには進化論を否定する州があります。
そのような州では進化論はおろか、クローン技術など目からビームな話。

中国の脅威

欧米の先進国に比べて、発展著しい中国では動物への倫理感が低いです。
実際にサルクローンに成功して、次は人間クローンも造りかねません。

人口ピラミッドが歪になり一人っ子政策を解除した中国共産党。
モラルなく、労働力としての人間クローンを大量生産したらスタウォーズの世界へ突入します。

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