「ヘラクレイトスとデモクリトス」が探す万物の根源(アルケー)

古代ギリシア哲学

哲学とは『人生・世界、事物の根源のあり方・原理を、理性によって求めようとする学問』を指します。
哲学が誕生したのは紀元前の古代ギリシアです。

古代ギリシアでは「万物の根源探し」が空前のブームとなります。
神話で完結していた世界に理性的な思考を伴わせます。

万物の根源探しは「ミレトス学派」や「ピタゴラス」ら多くの古代ギリシアの哲人が行いました。

今回紹介する「ヘラクレイトスとデモクリトス」はピタゴラス寄りの思想です。
彼らは万物の根源は「物質の根源」ではなく「万物を象徴する要素」だと定義します。

ヘラクレイトス

アルケーは「火」

ヘラクレイトス(BC540年-480年頃)の出自は身分の高い貴族だったという説があります。
エフェソスというトルコ西部の古代都市出身です。

ヘラクレイトスは万物の根源を「火」と定義します。
厳密には炎の絶えざる変化がアルケー。

絶え間なく変化を遂げる火がヘラクレイトスの中核思想である「万物は流転する」に繋がります。

ヘラクレイトスの死に際は壮絶です。
水腫を患ったヘラクレイトスは熱(火)を帯びた牛糞の山へダイブ。
水を火で排出するという理を断行して、そのまま牛糞の中で息絶えたと言われています。

万物は流転する

「万物は流転する」がヘラクレイトスの中核思想です。

ヘラクレイトスは「この世の物質に永遠の存在はない」と言います。
不変の秩序の下、万物は流転する法則に乗っ取ります。

ヘラクレイトスの考えは後世の哲学者へ多大な影響を与えます。
「人それぞれ、世界が違っているのが世界の真実」というのはどこか説得力があります。

デモクリトス

アルケーは「原子」

ヘラクレイトスに並ぶ古代ギリシアの賢人がデモクリトス(BC.460-370頃)です。
デモクリトスまでをソクラテス以前の哲学者とします。

バルカン半島南東部トラキアのアブデーラ出身です。
数多くの学問に精通して、博識で知られました。

陰気で偏屈なヘラクレイトス、明朗快活でよく笑う社交人がデモクリトス。

デモクリトスのアルケーは「原子(アトム)」です。
科学進歩が追いついていない時代に原子に焦点を当てるあたり天才の一端が伺えます。

化学、電子顕微鏡などは一切ない時代に原子論を唱えた傑物。

魂と原子

原子を分割できない不滅のものとします。
原子は虚空(ケノン)の空間を永久に運動します。

ケノンの中で原子が偶然衝突することにより、他の原子と結びつきます。
原子の偶然衝突が万物を生み出します。

人間の魂は原子です。
原子は熱を帯びているため、人は体温が温かいです。

人が死ぬと魂は原子に還ります。
魂が原子に還ると熱原体がなくなるため、体温が低下します。

中々筋の通った論です。

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